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シンポジウム

国際宗教研究所は主な活動として定期的に公開シンポジウムの開催、および東洋英和女学院大学・死生学研究所と「生と死」研究会の共催をしています。
ここでは開催のお知らせや直近のシンポジウムの報告をいたします。

過去のシンポジウムについてはこちらをご覧ください。

2023年度(公財)国際宗教研究所設立70周年記念シンポジウム「これからの社会と宗教教団」

このシンポジウムは終了しました。
多数の皆様にご来場いただきありがとうございました。

日 時 2024年2月17日(土)13:00〜17:30
* 12:30開場
** 冒頭に(公財)国際宗教研究所賞授与式を行います。
場 所 対面・Zoomのハイブリッド形式
対面会場:東京大学本郷キャンパス法文2号館1番大教室(東京都文京区本郷7丁目3−1)
参加費 無料(定員:対面150名、オンライン150名)

【当シンポジウムにかんする報道】

  • 『キリスト新聞』さま 2024年3月11日号に記事が掲載されました。キリスト教新聞社さまのHPからも記事の一部をお読みいただけます。
  • 『仏教タイムス』さま 2024年3月7日号に記事が掲載されました。
  • 『中外日報』さま 2024年2月23日号に記事が掲載されました。中外日報社さまのHPからも記事の一部をお読みいただけます。

【シンポジウム趣旨】
 国際宗教研究所が設立された1953年(財団法人化は翌年)、敗戦からようやく復興の兆しが見えつつあった日本において、宗教は封建的遺制や迷信の名残と見なされる一方で、新しい宗教運動や平和活動の担い手としての役割に注目が集まっていた。宗教教団を労働組合と伍する社会的存在と見なす研究者も少なくなく、宗教に対する期待感は、例えば日本宗教学会で「我が教育機関に於ける宗教知識の普及徹底を要望」(1952)を会員総会で決議したことからもうかがえよう。当研究所の1960年代の出版物を見ると、新宗教の動向や宗教と近代化、社会意識・社会実践・社会倫理との関わりに紙幅が割かれていることがわかる。新国家建設の一翼を担う存在感を宗教教団は有していた。
 しかし、その後、宗教教団の影響力は社会からやや薄らぎを見せ、世俗化と呼ばれる現象の広がりによって、宗教の個人化・私事化、やがて脱教団的なスピリチュアリティに注目が集まるようになった。1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件を契機に、宗教教団へのまなざしは一時期かなり厳しいものとなった。宗教教団はむしろネガティブに語られるか、「風景でしかない」(オウム真理教信者の伝統仏教観)と、あたかも存在しないかのような言説すら流布した。宗教教団の活動への批判的なまなざしは、2022年の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに再び焦点が当てられた世界平和統一家庭連合(通称統一教会)の問題によって、一段と強いものとなった。
 このような中、私たちは再び宗教教団の可能性が問われる場面に立ち会っている。上記のスピリチュアリティのブームは2006年をピークに下火となり、2010年の「無縁社会」現象のクローズアップ、そして翌年の東日本大震災の際に、宗教教団の機動力や教団施設の潜在的力を目の当たりとした。阪神淡路大震災の「ボランティア元年」は市民の個々の力の集積が社会に与える影響を見せつけたが、2010年以降の度重なる自然災害への対応や、貧困や社会的弱者へのセーフティネットとしての役割に宗教教団の力が期待され、これらについて当研究所でもシンポジウムや刊行物で幾度となく取り上げてきた。またジェンダー問題が、宗教教団においても正面から取り組むべき課題になっていることにも注意を払ってきた。
 一見、個々人の宗教的営みのように見える年中行事や人生儀礼、宗教施設への観光、地域の祭りも、宗教教団の施設(場)の力なくしては、かかる吸引力は発揮できないだろう。宗教教団と切り離されて論じられることの多いスピリチュアルケアも、その担い手の宗教教団の所属性(背景・素養・日々の実践)と決して無関係ではないはずだ。1970年代、オイルショック後の宗教への関心の高まり、上述の1995年以降の宗教への警戒心と無関心の拡がりを経て、これからの社会は宗教教団との関係の新たな段階に差し掛かっているのかもしれない。
 当研究所は「国内外の諸宗教を研究し、それらの相互理解と国際的理解の増進を図り、もって文化の向上発展と世界の平和及び人類の福祉に貢献すること」を目的とする。上記の宗教教団の力に目を向けることは、国内のそれだけではなく、外国人の宗教教団・伝統・信仰とも関わり、日本人が国内外で、これとどう向きあうかという課題と地続きである。いずれにせよ国内外を問わず、明確な価値観を発信し、無視し得ない組織力を有し、私たちの社会生活に実は大きく関わっている宗教教団に注目することは、平和で豊かで文化的な世界を創るうえで重要であろう。当研究所設立70年を期して、これからの社会と宗教教団の有する課題や可能性を考えてみたい。

【発題者】(発表順、敬称略)
大谷栄一(佛教大学社会学部 教授)「宗教教団の公共性をあらためて考える」
矢野秀武(駒澤大学総合教育研究部 教授)「宗教の共用域づくりから交流へ―教団と非信徒の狭間―」
山口瑞穂(佛教大学総合研究所 特別研究員)「宗教教団の自浄作用について考える」

【コメンテータ】
池田奈津江(弥生神社 権禰宜)
名和清隆(浄土宗総合研究所 研究員)
松谷信司(株式会社キリスト新聞社 「キリスト新聞」編集長)

【司会】
弓山達也(東京工業大学教授・(公財)国際宗教研究所常務理事)

参加申し込みはこちらをクリックしてください。(Google Formsへ移動します)
申し込み締切:2月5日(月) ※参加申し込みを締切りました。多くの申し込みをまことにありがとうございました。

2023年度シンポジウムポスターはこちら

【参加者の皆さまへお願い】
(公財)国際宗教研究所主催シンポジウムにご参加いただきまことにありがとうございます。以下、いくつか弊所からのお願いがございます。

  • 後日配信はいたしません。
  • 配付資料の再配布・再配信はお控え頂くよう何卒よろしくお願いいたします。
  • 映像・音声の記録はご遠慮いただいております。
  • 写真の撮影やスクリーンショットなどでの画像の保存は、報道のための利用を除きご遠慮いただいております。メディア関係者の皆さまは、当日お配りする「メディア関係者の皆さまへ」もご確認ください。
  • 記録のため、弊所スタッフが授賞式・シンポジウムの映像を録画いたします。なるべく参加者の方々が写らないよう努めますが、あらかじめご了承いただけますと幸いです。
  • オンラインでご参加いただく方々は、当日お配りする「オンライン開催に関する手引き」もあわせてご確認願います。

以上、ご理解・ご協力くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

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